「プレスがビタッと止まる日」って、あれだけで上達した気分になる。ノーズに乗った瞬間に板がフニャっと逃げず、でも硬すぎて耐えるだけにもならない。雪面の抵抗が増える春雪でも、フラットで“線”が描ける板はメイク率が一段上がる。
今回は25-26の中から、“乗り系”(プレス安定・コントロール軽め)でグラトリ×フリーランを両立しやすい板を5本に絞った。低速のスタイル系から、流しでスピードを乗せた当て込みまで、気持ちよくつながる方向を優先してる。
ブランド概要/モデルの位置づけ
“乗り系”の軸は、だいたいセンターがしなりやすい+引っ掛かりにくい(コンベックス/ダブルキャンバー/低めキャンバー)+トーションが扱いやすいあたりに集約される。硬い朝イチはズラしやすさが武器になって、午後の荒れは“余計な噛み”が減るぶんラクに感じやすい。
- RICE28:ソフトでも機敏さが残る方向があって、プレス→戻しが気持ちいい。
- SPREAD:キャンバーでも自在度を上げる作りが上手く、乗りでスタイルを作りやすい。
- FNTC:しなりの“どこまで”を作り込んで、プレスの止まりが出やすい。
- 011Artistic:ダブルキャンバー×コンベックスで引っ掛かりが少なく、浮遊感が出やすい。
- NOVEMBER:フラット対応を本気でやってるモデルがあり、軽さと反発の出し方が上手い。
結論:このモデルの“刺さるポイント”
- プレスの安定を最優先するなら「センターがしなる+止まる(戻りが暴れない)」設計が強い。
- メイク率は、引っ掛かりにくさで上がる。特に荒れた午後ほど差が出やすい。
- 低速のスタイル系はソフト寄りが正義。ただし“ただ柔らかい”より、ノーズ/テールに反発が残る板が伸びる。
- 流し(スピード乗せ)もやるなら、有効エッジや足元の捉えが残るモデルが安心。
- 迷ったら、自分の得意側のノーズプレスが30m安定する板を基準にすると失敗しにくい。
5点満点ランク(グラトリ/フリーラン/ジブ/パウダー)
| モデル(25-26) | グラトリ | フリーラン | ジブ | パウダー | ひとこと根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| FNTC TNT R | 4.5 | 4.0 | 4.0 | 2.5 | センターがよくしなって“止まる”感が出やすく、プレスが崩れにくい。 |
| SPREAD LTA-F | 4.5 | 4.5 | 3.5 | 2.5 | センター柔らかめ+低めキャンバーで、キャンバーの良さを残して自在度が高い。 |
| 011Artistic DOUBLE FLY SPIN LIMITED | 4.5 | 4.0 | 4.0 | 2.5 | ダブルキャンバーの浮遊感と引っ掛かりの少なさで、フラットの“線”が作りやすい。 |
| RICE28 RT6 | 4.0 | 4.5 | 3.0 | 2.5 | 全体ソフトでもノーズ/テールに反発が残り、乗り→戻しが気持ちよく出やすい。 |
| NOVEMBER DESIRE W(DESIRE DOUBLE) | 4.0 | 4.5 | 3.5 | 3.0 | ダブルキャンバー要素でスタイル系が映えつつ、走破性も残る方向がある。 |
仕様・形状・テクノロジー
“乗り系”で見ておくポイントは3つ。(1)センターのしなりやすさ(プレスの作りやすさ)、(2)引っ掛かりにくさ(コンベックス/ダブルキャンバー/低めキャンバーなど)、(3)戻り方(暴れず、次の動きに繋がる)。春の湿雪や荒れた午後は、ここが効いてメイク率が露骨に変わる。
① FNTC TNT R(V CAMBER系)
- 狙い:しなりの“どこまで”を作り込んで、プレスを安定させる。
- 体感の方向:センターが素直に曲がって、そのあと“止まる”感じが出やすい。ノーズプレスの抜けで板が暴れにくく、切り返しも繋げやすい。
② SPREAD LTA-F(キャンバー:低め+センターソフト寄り)
- 狙い:キャンバーの反応を残しつつ、乗り系の自在度を上げる。
- 体感の方向:硬い朝イチでもズラしが作りやすく、フラットで板が引っ掛かって失速しにくい。流しのスピードを上げても不安が出にくいのが嬉しい。
- メモ:キャンバー高さが低め方向で、プレスの入りが軽く感じやすい(脚力の消耗が減る)。
③ 011Artistic DOUBLE FLY SPIN LIMITED(ダブルキャンバー+コンベックス)
- 狙い:引っ掛かりを減らして、浮遊感のあるフラットトリックを作る。
- 体感の方向:ノーズ/テールを置いたときの“引っかかって持っていかれる”感じが減って、ゆっくりでもスタイルを出しやすい。春雪の抵抗が強い日ほどありがたみが出る。
④ RICE28 RT6(全体ソフト寄り+ノーズ/テール反発素材)
- 狙い:低速域でも反発を使った切り返しや、変幻自在の動きを出す。
- 体感の方向:板が柔らかいのに、ノーズ/テールの返りが残って“乗せてから戻す”が気持ちいい。午後の荒れで細かい入力が増えても、板が受け止めてくれる感じが出やすい。
- メモ:プレスの作りやすさと、フリーランの安心感を両立させたい中級者に刺さりやすい。
⑤ NOVEMBER DESIRE W(DESIRE DOUBLE:ダブルキャンバー要素ミックス)
- 狙い:フラットのスタイルと、フリーランの走破性を同居させる。
- 体感の方向:ジブ/フラットでプレスの形が作りやすく、当て込みも繋がる。ちょいパウや不整地でも“行ける感”が残るのがありがたい。
- メモ:DESIRE系は軽さの方向が強く、取り回しが軽いぶんトリックの修正が効きやすい。
使用感まとめ
まず一言で
“乗り系”は、板の上に立ったまま表現できるのが強い。プレスが安定すると、トリックの難しさが「当て込み」や「見せ方」に移っていって、ゲレンデが一気に楽しくなる。
ターン
フリーランで気持ちいいのは、ズラしのコントロールが軽い板。TNT RとDOUBLE FLY SPIN LTDは荒れた午後でも引っ掛かりが少なく、細かい切り返しがラクに感じやすい。LTA-FとRT6は“捉え”も残るから、流しでスピードを乗せても怖さが出にくい。
トリック
プレスは「入る→保つ→抜ける」の3つ。TNT Rはセンターのしなりが素直で保ちやすい。DOUBLE FLY SPIN LTDは浮遊感が出て、ノーズ/テールを置いた姿勢が作りやすい。RT6は乗せたあとに返して次の動きへ繋げやすく、LTA-Fはキャンバーらしい反応を残したままスタイルを作れるのが気持ちいい。
パウダー/悪雪
今回の5本はフラットから圧雪が主戦場。ただ、悪雪の午後は“引っ掛かりにくさ”がそのまま武器になる。ダブルキャンバー/コンベックス寄りは、雪面がグサグサの日でも余計なストレスが減りやすい。ちょいパウならDESIRE Wが対応幅を感じやすい(深雪一本勝負は仮説として別カテゴリ推奨)。
前年モデルからのアップデート
| モデル | 25-26アップデート要点 | 体感への効き |
|---|---|---|
| FNTC TNT R | センターを約10%ソフト方向に調整 | プレスの入りが軽く、低速でも“乗れる”時間が増えやすい。 |
| SPREAD LTA-F | センターフレックスをソフト寄り+キャンバー高さ低め方向 | キャンバーの良さを残しつつ、スタイル系が作りやすい。 |
| 011Artistic DOUBLE FLY SPIN LIMITED | 軽量化+ソフト&ライト方向(反発は残す) | 操作が軽く、プレス、フラット系がより扱いやすい。 |
| RICE28 RT6 | 全体ソフトフレックス+ノーズ/テールに高反発素材 | 柔らかいのに機敏さが出やすく、乗り→戻しが繋がる。 |
| NOVEMBER DESIRE W | 主要コンセプトはフラット対応+ダブルキャンバー | モデル設計に大きな更新はないが、取り扱いやすさが光る。 |
類似モデル比較(迷ったらここ)
| 比較軸 | 似てる | 違う | どっち向き |
|---|---|---|---|
| TNT R vs RT6 | 乗り系でプレスが作りやすい | TNT Rは“止まる”プレス安定、RT6は反発で繋ぐ楽しさ | メイク率最優先ならTNT R、流しや当て込みも繋ぐならRT6 |
| LTA-F vs DOUBLE FLY SPIN LTD | 引っ掛かりを減らして動きやすい | LTA-Fはキャンバーの土台でフリーラン安心、DOUBLEは浮遊感と軽い操作 | フリーラン比率高めならLTA-F、フラットのスタイル重視ならDOUBLE |
| DESIRE W vs DOUBLE FLY SPIN LTD | ダブルキャンバー要素でスタイルが出る | DESIRE Wは走破性/適応幅、DOUBLEはフラット特化の軽さ | 地形や色々やるならDESIRE W、フラット一本勝負ならDOUBLE |
おすすめな人/おすすめしない人
おすすめな人
- ノーズ/テールプレスを“止めて見せたい”し、メイク率を上げたい。
- 春雪や荒れた午後でも、引っ掛かりストレスを減らして練習量を確保したい。
- グラトリだけじゃなく、流しのフリーランも同じ板で気持ちよくやりたい。
おすすめしない人
- 強い弾きで一発ドカン(高反発キャンバー)を最優先したい。
- 超高速カービング専用で、エッジの噛みと剛性を最優先したい。
- 深雪の日がメインで、浮力最優先のパウ専ボードが欲しい。
プレスが安定すると、同じトリックでも“見え方”が変わる。止まって、余裕が出て、次の動きに繋がる。その積み上げが一番うまくなる近道だと思ってる。まずは、自分の得意プレスが一番キレイに出る一本からいこう。